腰痛の悩み解決!脊柱管狭窄症のやってはいけないこと・やったほうがいいこと

脊柱管狭窄症の概要

脊柱管狭窄症は、背骨の中に位置する神経の通り道である脊柱管が狭まり、神経が圧迫される病態を指します。主に中高年男性に多く、神経の圧迫から歩行時の痛みやしびれなどの症状が現れます。

脊柱管狭窄症の状態

脊柱管の内面が前方から椎間板・椎体後縁骨棘の突出、後方から黄色靭帯の肥厚、横方から椎間関節の棘で狭くなる状態を指します。また、椎間板ヘルニアの進行状態や脊椎すべり症で起こることもある病態です。

歩行時に痛みやしびれが生じ、数百m歩くと立ち止まらなければならなくなる間歇跛行が特徴的です。しゃがんだり、前屈すると一時的に楽になることがあります。

治療方法

初期から中軽度の場合は、仙骨ブロック等の治療を定期的に行い、神経周辺を滑りやすくして歩行距離の延長や坐骨神経痛の緩和が可能です。慢性的な痛みで効果がない場合は、経皮的内視鏡下脊柱管拡大術(PEL) もしくは 内視鏡下脊柱管拡大術(MEL) が必要になることがあります。

脊柱管狭窄症の症状

この病気は、お尻から太ももの裏、ふくらはぎや足にかけての痛みやしびれ、重だるさといった症状を引き起こします。重症でない場合、腰痛は軽度であることが多く、立っていると苦痛を伴いますが、座ったり寝ていると症状が出現しないことも特徴です。

狭窄の影響

立位や歩行時に神経の圧迫が強まり、坐骨神経痛 やしびれが増強します。前傾や座位姿勢では、脊柱管は広くなり、神経の圧迫が取れるため、楽になります。

脊柱管狭窄症の原因と予防

主な原因は加齢による骨や靭帯の変性・変形で、悪い姿勢や重いものを持つ仕事、激しいスポーツなども関連しているとされます。しかし、具体的な予防法は明確ではありません。

脊柱管狭窄症の検査

診断はレントゲンだけでは困難で、MRICT の検査が必要です。さらに確定診断のための神経根ブロックや造影検査なども行われます。血管の病気との鑑別も必要なため、注意して診断を進める必要があります。

脊柱管狭窄症の治療の概要

脊柱管狭窄症は、脊柱管の狭窄によって神経が圧迫される病態で、多岐にわたる治療が可能です。以下は主な治療方法です。

保存療法

症状の強さや画像検査の結果に基づき、手術以外の治療がまず行われます。痛み止め、血液循環改善薬、ブロック注射、リハビリなどで症状緩和を目指します。保存療法が効果ない場合、以下のような手術療法が選択されることがあります。

ブロック注射

主に「仙骨部硬膜外ブロック」を行います。一度では効果が見られなくても、複数回の注射が一般的で、痛みの大幅な改善が見られることもあります。

薬による治療

ロキソニン®、ボルタレン®などの鎮痛薬や、神経の薬、血流改善薬、抗うつ薬などが有効であるとされています。

手術による治療

手術を選択するかどうかの判断基準

手術の適応には慎重な判断が必要で、症状の程度や患っている期間などを基に医師が判断します。

手術の目的と種類

  • PEL: 8mm程度の切開で1~2泊の入院で脊柱管狭窄症の手術。
  • MEL: 10mm程度の切開で行う脊柱管拡大手術。
  • PE-LIF: 細いスクリューを用いた「固定術」。
  • エピドラ: 内視鏡で神経周囲の癒着を剥離する手術。

手術後の経過

手術後の経過は手術内容により異なり、1~2週間程度の入院が一般的です。

脊柱管狭窄症の特性と診断

症状は体位の変化に伴う脊柱管内の圧力変動で出現・悪化することが多く、専門的な診断が求められることがあります。

脊椎ドック(脊椎精密検査)のお勧め理由

  • MRI・CT・レントゲンの同日撮影。
  • 半日で終了する迅速な検査。
  • 症状の原因を詳しく調べ、適切な治療法を知ることができる。

脊柱管狭窄症の治療は、正確な診断と個別の症状に対応した治療法の選択が重要です。最新の医療技術と専門医のノウハウにより、多くの患者さんに適切な治療を提供しています。

予防方法

脊柱管狭窄症に対する予防方法は、特に腰の反りや無理な運動を避けることが重要です。以下は具体的な予防策となります。

やってはいけないこと
  • 腰を反る動作: 脊柱管が狭くなる原因となる。
  • 無理な背筋の鍛錬: 症状を悪化させる可能性がある。
  • 無理なウォーキング: 体力の消耗や症状の悪化を招く。
項目 詳細
腰の反る動作 脊柱管の狭窄を引き起こす
無理な背筋の鍛錬 悪化する可能性あり
無理なウォーキング 症状の悪化を招く
やったほうがいいこと
  • 仰向けのストレッチ: 両膝を抱え込み、背中を丸める。
  • 腰をわずかに反らす時間: うつ伏せで腕を枕にして寝転がる。
  • 症状が出にくい運動: ウォーキングや自転車を漕ぐなど。
項目 詳細
仰向けのストレッチ 脊柱管を拡げる効果がある
腰をわずかに反らす時間 硬くなり過ぎないように
症状が出にくい運動 体力や足腰の筋力を落とさないよう努める

※椎間板ヘルニアの有無などによって症状の出方は異なるため、ストレッチや運動などで症状が出る場合は無理に行わないようにしましょう。

まとめ
脊柱管狭窄症の予防と対策には、腰を反らす動作や無理な背筋鍛錬、ウォーキングを避けることが重要です。逆に推奨されるのは、両膝を抱えるストレッチや、うつ伏せでわずかに腰を反らす姿勢、症状が出にくい運動の取り入れです。特に仰向けのストレッチは脊柱管を拡げる効果があるためお勧めで、硬くなり過ぎないように腰を反らす時間も大切です。椎間板ヘルニアの有無などによる個人差もあり、無理な運動は控えるべきでしょう。健康な体を維持するためのバランスの取り方を知ることが、予防と対策の鍵となります。